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妊娠・出産・育児休業等を契機とする不利益取り扱いに関するQ&Aを公表

2015.04.11育児

 厚生労働省は2015年3月30日、男女雇用機会均等法および育児・介護休業法が禁止している妊娠・出産・育児休業等を契機とする不利益取り扱いに関して、運用上の解 釈を具体的に示したQ&Aをホームページ上で公開しました。厚
生労働省では2014年10月に示された最高裁判決を受けて、妊娠・出産・育児休業等を契機とする不利益取り扱いに関する解釈通達を改め、本年1月23日に発出していました。
今回公表されたQ&Aはこの通達内容を踏まえたもので、原則として、妊娠・出産・育休等の終了から1年以内に不利益取り扱いがなされた場合は、これらの事由を「契機として」いると判断することとしています。
 illust598.gif



sikaku-blue.gif Q&Aのポイント

 question.gif解釈通達において、 妊娠・出産 ・育休 等の事由を「契機として 」不利益取扱いが行われた場合は、原則として妊娠・出産・育休等を「理由として」不利益取扱いがなされたと解され、法違反だとされている。
また、同通達では「契機として」いるか否は、基本的に、妊娠・出産・育休等 の事由と時間的に近接しているかで判断すとされているが、具体的に はどのよう判断するのか 。
  
answer.gif原則として、妊娠・出産・育休等の事由終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いる判断する 。
ただし、事由の終了から1年を超えている場合であっても実施時期が前に決まっている、又はある程度定期的になされる措置(人事異動 (不利益な配置変更等) 、雇止め(契約更新がされない)など)については、 事由の終了後の最初タイミングまでの間に不利益取扱いがなされた場合は 「契機として」いると判断 する 。

 question.gif妊娠・出産・育児休業等を「契機として」いても、法違反ではないとされる「例外」の1つ目として、『 業務上の必要性から不利益取扱いをせざる得ず、 当該不利益取扱いにより受ける影響を上回ると認められる特段の事情が存在するとき 』とされている。 具体的に、 どのような場合であれば 「特段の事情が存在」するものとして、違法 でないと言えるのか 。
  
answer.gif「特段の事情が存在」する もとして違法でない言い得るのは、 (1) 「業務上の必要性」から不利益取扱いをせざる得ない状況であり、かつ、 (2) 「業務上の必要性」が、不利益取扱いにより受ける影響(※)を上回る場合 である。 (※不利益取扱いや、不利益取扱いの契機となった事由に有利な影響がある場合(例: 本人の意向に沿った業務負担の軽減等)は、それも加味した影響)
 question.gif妊娠・出産・育児休業等を「契機として」いても、法違反ではないとされる例 外」の2つ目として、『労働者が同意している場合で、有利な影響が不利の内 容・程度を上回り、事業主から適切に説明がなされる等、一般的な労働者なら同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき』とされている。 具体的に、どのような場合であれば違法でないと言えるか。労働者本人が同意 していればよいのか。
  
answer.gif単に当該労働者が同意し だけでは足りず、有利な影響が不利な影響を上回っていて、事業主から適切な説明を受けたなど、当該労働者以外の労働者であっても合理的な意思決定ができる者であれば誰しも同意するような理由が客観的に存在している状況にあることが必要である。 この場合は、そもそも法が禁止する「不利益な取扱い」に当たらないと解される。

【参考リンク】  ・厚生労働省HP 「妊娠・出産・育児休業等を契機とする不利益取扱いに係るQ&A」  ・厚生労働省HP 「妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達を発出しました 」
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